一般社団法人 日本タトゥーイスト協会

よくある質問 FAQ

同業者によって組織され、職業としての地位・技術の向上、業界全体の底上げを図り、発展するための活動を行う組織のことをいいます。一個人では対応しきれないことに、大勢で力を合わせて取り組む業界団体が協会です。

彫師が医師法違反で次々と摘発され、医師免許を要求されるという非常事態におちいっても、業界団体がないために、個人が裁判を行わなければなりませんでした。
この件のように業界団体がなければ、現場を知らない役人や警察による規制が一人歩きしてしまう可能性があります。
昨今は、彫師が何らかの規制を受けずに活動できる時代ではありません。これを防ぐためにも、協会という形の業界団体が必要なのです。

彫師による、彫師のための協会です。『正会員』はタトゥー施術を行う彫師のみが入会できます。
タトゥーに関する基礎知識が必要な、サプライヤーやメーカー、スタジオオーナーやマネージャーなど、施術は行わないけれどもタトゥーに携わる仕事をする人が入会する『事業会員』の枠も設けられています。
ほか、協会に賛同してくれる方とも情報を共有できるよう『準会員』の枠があります。

大阪高等裁判所は、彫師の仕事をするのに医師の免許は必要ないとの判断を示しました。
しかし、大阪高等裁判所の判決においても、タトゥーを彫る手順などに関する基準や指針、設備や器具などの衛生管理に関する基準や指針が必要であると述べられており、これらについては今後の業界の取り組みが問われています。
例えば、器具についてみても、針は医療器具であるとして輸入が止められており、現時点では解決の見込みが立っていません。日本ではタトゥー用品の大半は海外からの輸入です。このまま針が輸入しづらい状態が続くと、将来的に安定して仕事を続けていくことが困難になります。
また、インクに対するアレルギー反応などのおそれも指摘されているなか、悪質な業者による粗悪なインクのネット販売などの問題もあります。これらの問題に取り組んでいくためにも、タトゥーに携わる事業者との連携が必要ですので、事業会員の枠を設けました。

彫師という「職業」が社会的に認められるためには、彫師自らが業界団体を立ち上げ、自分たちが守るべき一定の衛生管理基準(ガイドライン)を設け、タトゥーの安全性を広く訴えかけていく必要があります。
今後行政は、彫師に対しする一定の規制をつくる可能性が高いと考えられます。規制をつくるのであれば、仕事がしづらくなるような規制を行政が一方的につくるのではなく、彫師の仕事が「職業」として守られるよう、規制の内容には必ず彫師の意見を最大限に反映させ、仕事がしやすい環境を自分たちの力でつくる必要があります。
行政は個人の意見ではなく

  • タトゥーを彫るときに守るべき衛生基準に特化した『衛生管理講習』を受けられます。
  • 講習修了後に検定を受けると受講修了証が発行されます
  • 協会が作成する、お客さんに書いてもらう誓約書を使用できます
  • 仕事での困りごとを弁護士に相談することができます
  • 新しい製品や海外事情など最新の情報が提供されます 
  • 海外で仕事をする際の手続きやビザ取得について相談することができます
  • 経営上での相談や確定申告の相談などをできる窓口を設け、
  • 協会が委託した税理士にアドバイスを受けれるようにすることも検討しています
  • 規約に定める入会年齢に達してない方(正会員の場合20歳)
  • 入会申込に嘘の記載をした方、または記入漏れのある方
  • アートメイクの施術を行っている方
  • 反社会的勢力と提携関係している方
  • 会費を納入していない方

会員登録に必要な項目を記入し、毎年定められた年会費を納入するだけで登録は完了です。
その際、協会規約をよく読んだうえで登録をお願いいたします。規約に書いてあることでわからないことがあればご質問ください。入会後は、毎年行われる『衛生管理講習』を受講していただきます。

  • 協会に退会届を提出したとき
  • 本人が死亡し、もしくは失踪宣告を受けたとき(行方不明になったとき
  • 会費を支払わず、継続しなかったとき
  • 協会の定めた基本原則に反し除名をされたとき
  • 事業会員の場合は、法人または団体が消滅したとき
  • 正会員  年会費 10,000円 (衛生講習代込み)
  • 準会員  年会費  無料 (衛生講習希望者は受講費5千円で受講可)
  • 事業会員 年会費 50,000

会費は、『衛生管理講習』の受講修了証などの費用タトゥーを彫るときに守るべき衛生基準の作成(その過程では、衛生の専門家である医師への相談や監修を受けることも必要になります)にかかる費用、『衛生管理講習』を会員の皆さまが受講できるようにするためのシステムを開発・運営する費用、また『衛生管理講習』が必要な衛生レベルを満たした内容であるか、専門家である医師に確認してもらうための費用、衛生基準や資格に関する法整備・針やインクなどの器具の輸入に関する法整備のためのロビーイング活動にかかる費用、インクに対するアレルギー反応などについて医療機関と提携するために要する費用などにあてられます。
そのほか将来にわたり、会員の要望に応え、業界全体として取り組むべき課題について、協会が解決していくための費用に使われます。

毎年『衛生管理講習』の受講修了証が発行されますので大切に保管してください。

日本では国が定める彫師に特化した資格はありません。よって国家資格はありません。
協会は同業者による民間団体です。協会の役割は、これまで個々に徹底してきた衛生基準や、お客さんとの誓約書など、業界全体で統一した一定のガイドラインを設けることにより、自主的にトラブルを避けるためのものです。

SAVE TATTOOINGとは全く別の団体です。
SAVE TATTOOINGは、大阪で行われている刑事裁判を支援する団体です。医師法違反の罪に問われた彫師に対して、多くの人たちが他人事ではなく自分のことであるという思いで支援をしてきたかと思われます。
日本タトゥーイスト協会は、彫師の支援団体ではなく、個々の彫師が自ら立ち上がり、社会的地位と職業を守るための業界団体です。支援者という意識ではなく、当事者としての自覚をもって入会をお願いします。
SAVE TATTOOINGが立ち上がってくれたおかげで、これまでタトゥーに関心のなかった専門家などの多くの賛同者が得られたことは非常に有意義であり、そのおかげで医師の免許を要求されるという不当なことは高裁判決でいったん撤回されました。これは彫師だけの主張では成し得なかった成果です。個々の主張だけでは声の届かないものでも、団体となることで、外部からの賛同や協力を得ることができるのです。これから起こりうるあらゆる問題に彫師が当事者として立ち向かうための団体、それが日本タトゥーイスト協会です。

仕事をするうえで、彫師が守らなければならない項目のことを指します。
喧嘩や失恋など私的なことでのトラブルは個々の問題ですが、公的なこと(=仕事)で問題となった場合は、個人が責任を負える範囲を超え、全体の信用を揺るがすことになりかねます。
例えば『一定の衛生基準』は、保健衛生上の危害の発生を防止することにより、お客さんの健康を守るための項目です。これを守らず、もし誰かひとりが健康被害を出した場合、社会はタトゥーは危険なものであると認識してしまう危険性があります
遵守すべき事項とは、義務として必ず守るべき職業上の決まりを設け、みんなで守りましょうという意味です。

一般社団法人とは、一定の目的のために社会的活動を営む組織です。
株式会社などは利益を求める活動を行い、株主に利益を配当しますが、一般社団法人は株主への配当といった利益は目的とせずに活動を行います。一般社団法人と聞くとボランティアや無償活動のようなイメージをもつ人もいますが、利益の出る活動を出してはいけないということではなく、利益から人件費やしかるべき報酬を支払うのは問題ありませんが、配当金という形で分配してはいけない、ということです。一般社団法人の利益は、一般社団法人がその活動を拡げるための資金にあてられます。

施術者=彫師、被施術者=お客さんです。
被施術者の権利とは、お客さんの健康のほか、カウンセリングや誓約書などで得た個人情報を正しく管理・保管して守ること。
気に入らないものを強制的に彫らないなど、お客さんの立場に立ち、お客さんの権利を守ることを指します。

彫師という職業は、医者の仕事ではなく、暴力団の仕事でもありません。
しかし、日本社会におけるタトゥーへの偏見は強く、スタジオの不動産契約のときなどに困難を伴うのも事実です。彫師を職業として社会に正しく理解してもらうためには、社会的信頼を証明する必要があります。
例えば、職業を彫師として納税できるようにしたり、飲食店同様に保健所による店舗のチェックが受けられたり、彫師として生命保険に入り、彫師として住宅ローンや学資ローンを組むなど、職業として社会に受け入れられるための働きかけが必要です。それぞれが個人事業主として、あるいはスタジオに勤務する場合は給与所得者として、家族を養い、安心して暮らしていけるよう、取り組むべきこと。それが社会的信頼へとつながります。

法律とは国が定めたルールのことです。
法令には、法律のほか、各省や行政機関が出す命令も含まれます。条例は、各都道府県が定めたルールです。
彫師の仕事については、現時点で国が定めたルールはありませんが、条例で定められている未成年への施術禁止などがあり、いずれにせよ守るべきルールがあります。

暴力団、暴力団員、組織実態を隠蔽した暴力団関係企業・団体(二次団体等の関係者を含む)、暴力団排除条例に規定する暴力団関係者のことを指します。
反社会的勢力への対応については、国や自治体もそれぞれ対策を強めています。反社会的勢力に資金提供などをしてはならないことは法で定められており、暴対法や暴力団排除条例が制定されている以上、これらを守らなければなりません。

これまで日本では、一門制度やタトゥーサプライヤーの働きかけにより、プロ意識のない人に仕事をさせないよう努めてきた経緯があります。彫師の足には、自らの身体を使いチェックしたテスト跡が残されていることからもわかる通り、それぞれが安全性や技術向上に努めてきました。
しかし、インターネットが普及し、ネット販売で安価な道具を買い、気軽に彫師をはじめられる環境に社会が変わったことで、衛生面の知識不足や、技術不足などを隠し、堂々と宣伝し開業するところも出てきました。タトゥーに興味をもちはじめたばかりのお客さんには、プロとプロではない彫師の見分けはつかず、これを野放しにしておくのは大変に危険です。
健全なタトゥー産業を築き上げるためには、タトゥーをとりまく環境の全体を考えていく必要があります。
彫師の意識向上だけにとどまらず、信頼できる業者から信頼できる安全なものを買い、安心してお客さんにタトゥーを提供することができる環境が必要不可欠であり、ここにはタトゥー用品を販売する業者の健全化も含まれます。同様に、スタジオ・オーナーやマネージャーなど、タトゥーの施術を行わなくてもタトゥーに関わる仕事をする人は正しい知識を身につける必要があり、ほかにも知識不足から間違った記事を書くメディアやブロガーにも正しい指導を行う必要もあります。タトゥーに携わる人はすべて『タトゥー産業』の一員としての自覚が必要なのです。

現時点では、日本には国が定める彫師に特化した資格やルールはありません。それでも健康被害を出さずに営業を続けてこられたのは、個々の彫師の努力の賜物です。
しかし、医師法違反の摘発のように、法で定められていないがゆえに、ある日突然仕事を奪われるような事態がおきなねません。
その都度、海外移住を考えたり、あるいは国内で地下に潜ることを考えるのではなく、堂々と営業を続けていけるよう、ルールを自分たちで定め、社会に認知してもらう必要があります。
今後、自主的なルールだけで問題なしとされる可能性は低く、衛生基準や資格について、さらには針の輸入問題などについては厚生労働省などに働きかけ、適切な規制について話し合いをしていく必要があります。それを法整備といいます。行政に法整備を求めることを、ロビーイング活動といいます。

税金にはいろいろな種類があります。例えば消費税などは、大人も子供も、収入のあるなしに関係なく、商品の金額に決まったパーセンテージの額が税金として課せられています。

所得税とは、収入に課せられている税金です。サラリーマンであれば、納めるべき税金を会社が一括して手続きをしてくれますが、多くの彫師がそうであるような個人事業主は、所得額に応じた税金の金額を自分で計算しなくてはなりません。所得税の金額は、収入だけでなく、配偶者や扶養家族がいるかどうか、生命保険に加入しているかどうかなど、などさまざまな要素から決まります。

確定申告とは、所得にかかる税金の金額を計算し、収入に見合った税金を支払うための手続きです。確定申告を行うことにより、適切な税額がわかります。

確定申告は国民の義務ですが、正直手続きが少々面倒です。協会では、税理士に委託して、確定申告のやりかたの相談窓口を設けることを検討しています。

例えば、年齢確認を怠ったがばかりに未成年者と知らずにタトゥーをしてしまった場合、個人の責任は条例に定められた罰則に従うことになります。法を守らなかった場合は、協会は個人を守ることができません。
このように、まずは協会の役割を十分に理解することが重要です。
彫師の社会的地位の向上や、協会の運営は、誰かに任せておけば自然にできあがるものではなく、一人ひとりが運営に参加し、常に努力し続けることで実現・維持できるものです。したがって、各人は、自由で公正な社会の担い手として、協会が取り組む公共的なことがらに参加する責任感を身に付ける必要があります。

協会には、会員の意見をまとめる役割を担う理事長が必要です。また、理事長が急な体調不良などで業務を行えないときに理事長の代行をおこなうことのできる副理事長なども定めておく必要があります。そういった役割を誰がするのかは会員が決めることになります。また、集めた会費の使い道なども、会員の意見をもとに次年度の予算を計画しなくてはなりません。協会は、入会すれば誰かが勝手にやってくれる役所のような団体ではありません。会員全員の意思により運営されていきます。あらゆる決定事項をどうするのかは、事前にお知らせをしたうえで、年に一度開かれる総会で全員の意見を反映して可決されます。当日総会に参加できない場合は、委任状を出すことで出席者と同じように総会に自分の意見を届けることも可能です。

理事の選出などを行うために年に1回開かれる総会に出席し、決議に参加できる権利のことを議決権といいます。議決権は、協会に彫師の皆さまの意見が正しく反映さえるための大事な権利です。
協会は誰か偉い人がトップダウンで方針を決定するようなピラミッド方式の組織ではありません。彫師としての経歴や経験年数を問わず、みな平等に、協会が健全に運営されるよう各自が判断することが必要となります