一般社団法人 日本タトゥーイスト協会

使用済みニードルの処理方法

使用済ニードルは、針刺し事故の危険や感染症の汚染源となる可能性があるため、産業廃棄物のなかでも「感染性廃棄物(かんせんせい はいきぶつ)」として処理をしてください。

針のように鋭利なものは、未使用品や滅菌処理をしたものであっても「感染性廃棄物」となります。なお「感染性廃棄物」は〝特別管理 産業廃棄物〟と呼ばれる分野に属し、保管方法や運送内容にいたるまで厳密に定められています。

業者を選ぶときは、取り扱うことのできる許可品目に「感染性産業廃棄物」が含まれていることをチェックし、各都道府県の許可を取得している業者と契約をして適正な処理を依頼してください。業者が決定したら、処理委託契約は必ず書面で行います。口頭での契約は有効ではありません。

なお、感染性廃棄物を排出するスタジオおよび彫師には、最終処分終了までの注意義務が発生します。許可のない業者と契約し、不法投棄などの不適正処理が起こった場合は、罰則が科せられます。

不法投棄を未然に防止するために、マニフェスト(産業廃棄物管理票)という制度があります。これは業者から業者へ、産業廃棄物とともにマニフェストを渡しながら、処理の流れが確認できる仕組みです。

マニフェストには、産業廃棄物の種類、数量、運搬業者名、処分業者名などが記入されます。このマニフェストは、契約終了の日から5年間保存する義務があります。

委託内容どおりに廃棄物が処理されたことを確認することは、環境汚染や社会問題となっている不法投棄を未然に防ぐことを目的とし、最終的には処分を依頼したタトゥースタジオの信用に繋がります。使用済ニードルは、1年に1回以上の処理を心がけください。

【やるべきこと】

  1. 許可業者を選ぶ
  2. 書面契約を結び、指定された廃棄容器を業者から購入する
  3. 産業廃棄物管理票(マニフェスト)を管理する

【契約までの流れ】

①インターネットで検索し、最寄りの「感染性廃棄物」を扱っている業者を探して依頼をする。また、各地域の役所に連絡して、感染性廃棄物を扱っている業者を教えてもらうことも可能です。
②業者に連絡した際は、回収品が「タトゥーの使用済針」であることを伝えましょう。
③回収と運搬、および処分料は、各業者によって異なります。事前に見積もりをだしてもらえるので、個々に見合った回収システムや料金であるかを確認しましょう。
④契約を結ぶ際に、業者から使用済針を保管する「黄色のバイオハザードマーク」ラベルのある専用ボックス(廃棄容器)を購入します。大小さまざまなサイズがあるので、容器の大きさは委託業者に確認をしましょう。

【バイオハザードマークによる識別】

感染性廃棄物のなかでも、鋭利な針の保管や運搬には「黄色のバイオハザードマーク」の表示が義務づけられています。

関係者全員が識別できるよう、使用済のニードルは必ず「黄色のバイオハザードマーク」が表示されたプラスチック製の廃棄容器に入れ、適正な保管場所で保管してください。

【注意点】

業者によっては〝廃棄物の量〟を料金の基準にしているところがあります。しかしタトゥーの使用済みニードルは、毎日保管してもさほどの量にはなりません。

廃棄物処理法では「感染性廃棄物の保管はできる限り短期間にする」が原則です。容器が満タンになるまで貯めることなく、容器がほぼ空でも1年に1回以上の処分を心がけください。

また、容器が満タンにならない可能性があることは、契約する前に業者にもきちんと伝えておきましょう。

もし少量の回収が無理だと断られり、見積もりで高額な料金を提示された場合などは、他の業者を探してみるのも良いかもしれません。いずれにせよ、タトゥーのスタジオ事情を理解してくれる業者を見つけ、心地よく取引できるのが理想的です。

◎マニフェスト(産業廃棄物管理票)。これは廃棄物の処理が適正に実施されたかどうかを確認するために作成される書類です。最近は電子書類の場合もあり。この書類は、契約終了の日から5年間保存する義務があります。